日本を代表する縁結びの聖地として知られる出雲大社。本記事では、実際に歩いたルートをもとに、参拝方法・見どころ・所要時間をまとめて紹介します。出雲大社の読み方は、「いづもたいしゃ」が一般的ですが、正式には「いづもおおやしろ」だそうです。
出雲大社の主祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)で、人と人とのご縁はもちろん、仕事、土地、人生そのものの巡り合わせまで司る神さまです。
境内はとても広く、重要文化財に指定された社殿や建造物が点在しています。ただ参拝するだけでなく、歩きながら神話や歴史を感じられるのも、出雲大社ならではの魅力です。
出雲大社の基本情報
- 名称:出雲大社(いずもおおやしろ/いずもたいしゃ)
- 住所:島根県出雲市大社町杵築東195
- タイプ:寺社仏閣
徒歩
出雲大社前駅から徒歩5分
バス
出雲市駅から一畑バス約25分
空港連絡バス
出雲縁結び空港から約40分
車
出雲ICから約15分
駐車場
あり(無料と有料どちらも点在しています)
出雲大社に行ったときの情報
- 時期:2025年12月中旬(平日)
- 天気:曇りのち雨/気温:4〜16℃
- 移動手段:バス・徒歩
- 滞在時間:1時間
稲佐の浜に行ってから、本日のメインの出雲大社へ参拝しました。平日だったこともあり、人の流れは比較的ゆったりでした。冬の空気がきりっと冷たく、境内全体が静かで落ち着いた神聖な雰囲気がしました。
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ちなみに雨予報で、途中で少しだけ小雨も降りましたが、稲佐の浜に続き、雨に困らずに参拝することができました。ちなみに、雨の日の出雲大社は、禊の雨(みそぎのあめ)と呼ばれ、穢れを洗い流し、縁起が良いとされているそうです。
所要時間の目安について(実体験)
私が出雲大社に参拝したときは、平日の雨予報の日で人も少なかったこともあり、ゆったり歩いても、おおよそ1時間位で境内を参拝できました。稲佐の浜や大社周辺の参道もゆったり散策するのであれば、3時間ほど見ておけばある程度散策できると思います!
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出雲大社の神話と参拝方法
出雲大社のはじまり
出雲大社のはじまりは、日本神話の「国譲り」にさかのぼるとされています。
大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)は、この国を治めていましたが、天照大神(あまてらすおおみかみ)の使者との交渉や試練を経たうえで、最終的には話し合いによって国を譲ったと伝えられています。
その際、大国主大神が条件として求めたのが、「自分を祀るための立派なお社を建てること」でした。この約束により、大国主大神は表の政治を天照大神に委ね、人々の縁や暮らしといった目に見えない世界を司る神となったとされています。
その象徴として造られたのが、現在の出雲大社だと伝えられています。
ちなみに、神々が集まり話し合う「神議り」が出雲で行われると考えられているのは、出雲が大国主大神の拠点であり、国譲りによってこの国の「目に見えない秩序」を司る神となった場所であることが、その理由のひとつと考えられています。
拝礼作法は「二拝四拍手一拝」
出雲大社の拝礼作法は「二拝四拍手一拝」で、一般的な神社の「二拝二拍手一拝」とは異なります。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、拝礼を行う場所には作法の案内が掲示されています。事前にすべて覚えておく必要はなく、「作法が異なる神社である」と知っておくだけでも、落ち着いて参拝できますね。
なぜ「二拝四拍手一拝」なのかも調べてみましたが、明確な起源が文献で断定されているわけではなく、諸説あるようです。
- 東西南北の四方
- 天、地、人、神の四つの世界や神様
- 大国主大神と妃神への二拍手を二度行う
などでした。いずれも定説ではありませんが、出雲大社の神話や信仰の深さを感じさせる考え方として伝えられています。
出雲大社の見どころと回り方
出雲大社には、お社と重要文化財がたくさんあります。私が参拝した時のルートと境内の様子のご紹介です。
勢溜の大鳥居



出雲大社の正面入口にあたる広場が「勢溜(せいだまり)」です。一説には江戸時代、この場所に芝居小屋があったことから、多くの人が集まり「人の勢いが溜まる場所」と呼ばれるようになった、という説があるそうです。
鳥居の下に立つと、これから神域へ入るという気持ちになりますね。
出雲大社の4つの鳥居
実際めぐったルートからそれますが出雲大社の参道には4つの鳥居があります。公式ではありませんが、「四あわせ(幸せ)」の語呂合わせからか、4つすべてくぐると縁起が良いともいわれているそうです。

一の鳥居(宇迦橋の大鳥居)
日本最大級のコンクリート製の白い鳥居で、大正4年建立の国の登録有形文化財です。

二の鳥居(勢溜の鳥居)
かつては木造でしたが、老朽化のため現在は鋼管製に建て替えられています。

三の鳥居(松の参道の鳥居)
松並木の参道の中ほどに建つ鉄製(鋼製)の鳥居です。

四の鳥居(銅鳥居)
1666年に毛利綱広が寄進した重要文化財の青銅製の鳥居で、触れると縁起が良いともいわれています。
祓社
境内に入って最初に参拝するのが祓社(はらえのやしろ)。神前へ進む前に、心身の穢れを祓い清めるためのお社だそうです。祓社は写真を撮っていませんでしたが、周辺はこんな感じです。


- 瀬織津比咩神(せおりつひめのかみ):川や水の流れによって、穢れを洗い流す浄化の神さま
- 速開都比咩神(はやあきつひめのかみ):流された穢れを受け取り、祓い清める役割を持つ神さま
- 気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ):息や風の力で、残った穢れを吹き払う神さま
- 速佐須良比咩神(はやさすらひめのかみ):穢れを遠くへ運び去り、消し去るとされる神さま
参道の三の鳥居周辺と松の参道
参道周辺には、浄の池や神話の杜、東神苑・西神苑など、静かに歩きたくなる場所が点在しています。





三の鳥居をくぐると、左右に樹齢400年以上の松が並ぶ「松の参道」へ。松の根を守るため、中央は歩かないよう、参道の両端が歩道として整備されていました。
ムスビの御神像・御慈愛の御神像
境内には神話を表した銅像がありました。
御慈愛の御神像

この神話が語られているのは、出雲大社の御祭神・大国主大神が、まだ力も地位も持たなかった若き頃、兄神たちに従って因幡へ向かう途中の出来事です。
海を渡ろうとして和邇(ワニ/ワニザメ)を欺いた白ウサギは、怒った和邇に皮を剥がされ傷ついてしまいます。兄神たちが誤った方法を教えて通り過ぎる中、最後尾を歩いていた大国主大神だけがウサギに寄り添い、真心をもって正しい治療法を授けました。
この思いやりの行いが、後に大国主大神が「縁を結ぶ神」として信仰される背景のひとつになったと伝えられています。
御慈愛の御神像

大国主大神が「幸魂奇魂(さきみたま・くしみたま)」を授かる場面。
この神話では、大国主大神が困難に立ち向かう中で、神々(特に少彦名神)の導きによって、目には見えない霊的な力である「幸魂奇魂」を授かります。この力によって大国主大神は心身ともに強められ、人々を導く存在へと成長していったと伝えられています。「結び」や「再生」を象徴する、大国主大神の転機となる場面です。
物語を知ってから見ると、表情や仕草がとても印象的に感じられますね。
手水舎

先に進むと左手に手水舎がありました。
銅鳥居と牛馬舎

銅鳥居は、毛利綱広によって寄進されたものだそうです。銅製の鳥居は全国的にも珍しく、重要文化財に指定されています。

近くにある牛馬舎では、
- 神牛:頭をなでると学力向上
- 神馬:鼻をなでると安産
といったご利益が伝えられています。
拝殿・八足門(やつあしもん)
拝殿は、高さ12.9mの拝殿は、御本殿の屋根を拝めるよう少しずらして建てられています。


八足門は重要文化財で、お正月などの特別な時以外は、ここから先には入れないので、門の手前で参拝します。中には、平安時代に48mという高さの本殿があったとされている説があり、心御柱推定位置の跡が赤い丸で示されているそうです。
素鵞社(そがのやしろ)とお砂交換
御本殿の北側にある素鵞社には、大国主大神の父神の素戔嗚尊(すさのおのみこと)が祀られています。お清めの御砂は軒下にありました。稲佐の浜の砂を納め、同じ量の砂だけを持ち帰ることができます。どの箱を使っても良いそうです。


なぜ素鵞社でお砂交換をするのかについても調べてみましたが、由来は明確にはわかりませんでした。
稲佐の浜は、全国の神々を迎える「神迎えの地」とされる場所で、御本殿の北側に鎮座する素鵞社は、出雲大社の中でも裏を守る特別なお社で、災厄を鎮める力を持つ素戔嗚尊が祀られています。民間信仰としてこの習わしが定着していったようです。
稲佐の浜についてはこちら↓
御本殿西

御神座が西向きに御鎮座されているので、こちらで再度、御本殿に向けて参拝するそうです。
- 大国主命大神(おおくにぬしのおおかみ):人と人、物事の縁を結び、国づくりを導いた出雲の大神
- 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ):天地開闢の最初に現れた、宇宙の中心を司る神さま
- 高御産巣日神(たかみむすびのかみ):生命や創造の力を生み出す、高天原の神さま
- 神産巣日神(かみむすびのかみ):人と神、命と命を結びつける生成の神さま
- 宇麻志阿斯詞備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ):国土生成の神さま
- 天之常立神(あめのとこたちのかみ):天地が安定することを象徴する、永遠性を持つ神さま
- 和加布都奴志命(わかふつぬしのみこと):出雲の地を守り、人々の暮らしを支える神さま
社殿と重要文化財
十九社(じゅうくしゃ)
東西に向かい合うように建っている東十九社と西十九社は、南北約34.5mほどの長い建物で、神々の宿所だそうです。
- 八百万萬神(やおよろずのかみ):あらゆるモノや現象、場所などに神が宿る無限で多様な神さまたち
釜社と氏社
御本殿側を正面として、同じ形・大きさの建物となっていて、境内で最も古いお社だそうです。
- 北ー天穂日命(あめのほひのみこと):出雲国造の祖神で、国土経営に関わった神さま
- 宮向宿彌命(みやむきのすくねのみこと):出雲大社の祭祀を支えたと伝えられる人物神
- 南ー國造出雲臣宮向(こくぞういづものおみみやむき):出雲国造として、神事と地域を守った祖神
- 宇迦之魂神(うかのみたまのかみ):穀物や食を司り、豊かな実りをもたらす神さま
脇宮三社(わきみやさんしゃ)
東にある御向社(みむかいのやしろ)・天前社(あまさきのやしろ)と、西にある筑紫社(つくしのやしろ)の三社で「脇宮三社」と呼ばれていて、社とも形と大きさが同じだそうです。脇宮三社に祀られているのは、いずれも大国主大神の人生に深く関わった女神さまたちです。
- 須勢理毘売命(すせりひめのみこと):困難の中でも大国主大神を支え続けた、夫婦の絆と守護を象徴する女神さま
- 蚶貝比売命(きさがいひめのみこと):知恵と癒やしの力で、大国主大神を救った治療の女神さま
- 多紀理毘売命(たきりびめのみこと):水の流れや航海を司り、道中の安全を守る女神さま
- 市寸島比売命(いちきしまひめのみこと):人と人との縁、芸能や金運を司るとされる女神さま
- 多岐都比売命(たぎつひめのみこと):潮の満ち引きを司り、物事の流れを整えるとされる女神さま
彰古館(しょうこかん)・宝庫(ほうこ)・文庫(ぶんこ)

彰古館は、だいこく様・えびす様の木像、神楽用の楽器などや出雲大社の資料が展示されています。
文庫は、資料が保存されている図書館建物で、元は彰古館付近の位置にありましたが、彰古館建設に伴い移築されたそうです。
宝庫は名前の通り、宝物を納めるための建物だそうです。
どれも静かに佇み、出雲大社の長い歴史を感じさせてくれます。
神楽殿と大注連縄


神楽殿では御祈祷や結婚式などが行われます。あの有名な正面に懸けられた日本最大級の大注連縄は圧巻です!数年に一度、新しいものへつけ替えられるそうです。
因幡の素兎がモチーフのウサギの石像
境内のあちこちで目にするのが、ウサギの石像。これは、御慈愛の御神像でもふれた「因幡の白ウサギ」神話にちなんだものです。






ウサギの表情やポーズがそれぞれ異なり、探しながら歩くのも楽しい時間でした!また、出雲は日本酒発祥の地らしく、日本酒が好きな私は、日本酒のウサギの写真を絶対撮ると決めていました笑

日本酒のウサギがなかなか見つからず何度も往復しました笑
参拝の合間に、少し肩の力を抜いて楽しめます。
出雲大社のまとめ
出雲大社は、ただお願いごとをする場所ではなく、神話・歴史・自然を感じながら、心を整える場所だと感じました。
初めてでも案内表示が丁寧で、作法に迷うことはほとんどありませんでした。静かに歩き、自分のペースで向き合えるのも魅力です。
ご縁を大切にしたいとき、少し立ち止まりたいときなど、そんな時に、出雲大社はそっと寄り添ってパワーをもらえる場所でした!


