静岡県伊東市を流れる松川(まつかわ)は、伊東の温泉街を象徴する風景のひとつ。川沿いには歴史ある建物や足湯、風情ある柳並木が続き、伊東らしい情緒を感じられる散策スポットです。
伊東松川沿いの魅力や見どころ、周辺情報をご紹介します。特に夜の幻想的な「竹あかり」とはまた違った、昼間ならではの穏やかな表情を楽しんでいただければと思います。
夜の松川沿いの散策「竹あかり」についてはこちら!
松川遊歩道の基本情報
- 名称:伊東松川沿い遊歩道(伊東温泉松川遊歩道)
- 住所:静岡県伊東市松川町付近
- 営業時間:なし
- 入場料:無料
- タイプ:都市観光
電車
JR伊東駅から徒歩約10分
車・タクシー
JR伊東駅から約3分
駐車場
周辺の市営駐車場(松川町・伊東駅前など)を利用
松川遊歩道に行ったときの情報
- 時期:2025年5月上旬頃(土日祝)
- 天気:曇りのち雨/気温:15~23℃
- 移動手段:徒歩
- 滞在時間:15分程度
昨晩の竹あかり散策の時は雨でしたが、翌日は曇り(時々小雨)で、明るい中で散策出来ました。音無神社方面から東海館を目指して散策しました。東海館については別記事で紹介しています。
記事を書いたらリンクを貼ります。
松川遊歩道の楽しみ方
伊東松川沿いの遊歩道を歩いてまず心を奪われるのが、川の流れと木々の落ち着いた景観です。ちょうど雨がやんだ直後だったので、少し天気が悪かったのですが、それでも良い景観でした。竹あかりの名残も良い雰囲気ですね。








この遊歩道は、ただ景色を楽しむだけでなく、伊東の歴史や文化に出会える場所でもあります。次に紹介するのは、その歴史を紡いできた偉人たちの痕跡です。
北里柴三郎博士と伊東温泉
新しい千円札にもなっている北里柴三郎(きたざと しばさぶろう)は、日本の細菌学者・医学者で、「日本の近代医学の父」とも呼ばれる人物です。ドイツの細菌学者・コッホに師事し、細菌学の最前線で研究を行いました。特に破傷風やペストの研究で世界的に名を上げ、感染症予防・治療の基礎を作りました。
温泉の効能に注目し、「温泉による療養(湯治)」の医学的価値を見出した北里博士は、伊東温泉を病後の静養地として評価していたそうです!
伊東の自然や温泉が、人々の健康と回復に貢献してきた背景には、こうした偉人たちの働きがあったということを知ると、歩く道にも一層の深みが増しますね。

伊東松川沿い遊歩道には、博士を顕彰する石碑や記念プレートが多くあり、その紹介がされているので、旅先でのちょっとした学びにぴったり。
木下杢太郎に会える道
次に紹介したいのが、医学者でありながら、文学者・芸術家としての才能ももつ、伊東市出身の木下杢太郎(きのしたもくたろう/本名:太田正雄)です。彼は詩・戯曲・小説・美術作品などの作品を発表し、様々な才能を発揮します。医師としては、ハンセン病の研究に尽力し、戦前の皮膚科学を牽引したそうです。


遊歩道には、木下杢太郎に関する案内や作品の紹介が数多く設けられています。代表作の詩碑「白き藤咲く伊東の町に」は、彼が郷里を深く愛していたことを感じさせる名文句。
私は、行かなかったのですが、近くには、木下杢太郎記念館もあり、そこでは直筆原稿や愛用の品々、業績などを展示しているそうです。
伊東の彫刻家・重岡建治氏
最後に、伊東市出身の彫刻家・重岡建治(しげおか けんじ)氏です。地元の景観と調和するアート作品を多数手がけてきた現代彫刻家で、日本オリンピックのトロフィーも長きに渡り、制作されていたそうです。
松川沿いの遊歩道を歩くと、自然の流れや風をテーマにした彼の作品に出会えます。


彼の作品は、形の美しさだけでなく、伊東の自然・文化・人の暮らしとつながるようなやさしさと力強さが特徴です。彫刻はあえて大げさに主張することなく、あたかも昔からその場にあったかのように周囲に溶け込み、日常の風景の中にさりげなく芸術を根づかせています。
最後に見学した東海館にも彼の作品が多く展示されています!
距離としてもそこまで長くないので、少しふらっと歩いてみる程度の気持ちでしたが、大満足でした!伊東に立ち寄られた時は、移動のあいまに是非立ち寄られてみてください。